大阪鶴見区などに店を構える人気ラーメン店「昇龍軒」都島本店の増改築計画。
現在もマンション開発が進められ、人口が増えつづけてゆく市内ベットタウン都島の幹線道路沿いには、新旧と商店が軒を連ね再び街が活性している。その中に以前からぽつんと佇む連棟長屋が計画地。
女性グループや新しい家族層が入りにくい大型看板や装飾で演出されたインパクト重視の現行型ラーメン店ではなく、日本的であり誰もが親しみやすく、おおらかで豊かさを感じられる新しいラーメン店のありかたを要望された。
ほんの少し美学があり、大衆的で親しみやすい構成手法はないかと考え、古来より馴染み深い日本文化の一つである“見たてる”という手法を用いて戦前からの建築や環境との調和、老舗店の風格をつくり上げてゆくことを主旨とした。
内部構成は業種の多回転数からストレスのない主・副動線を基本構成要素とした5つのブースに分化し、一人での来客ではカウンター席や「おなか一杯食べてな」と、今も現場で情熱奮うオーナーの意を込めた麺箱を組み付け、対面の来客者間の視線を交わす変形ビックカウンター席へ。小さな子供を連れた家族や年配の方にはベンチ席といった、多様な来客者でも視線や人の往来などのパブリックストレスを感じることなく、心地よく滞在できるよう構成しながら、仕切ることない内部のスケールを最大限生かしたシンプルでおおらかな構成をつくり上げている。
また、この計画では戦前から数ある災害から耐えて今も残る長屋建築の歴史を崩さず、鉄骨や筋交い、耐力壁で補強し再生保存をする。





